天界だけを輪廻したい~神々の計画

さて天界の悩み、それと人間の特殊性を前回、前々回とご紹介しました。

天界は、五感を楽しませる快楽が極まっているのですが、反面、心を変化させにくく、善行がしにくいといった問題点もあったりします。このことは、人間が身体を自在に変化させることが難しいことと似ているとも説明いたしました。

また前回「勝ち組輪廻」と半ば冗談に書きましたが、実は、天界だけをグルグルと輪廻し続けることは不可能になります。なぜなら、天界では善行を積むことが難しく、エネルギー(善業)を消費するだけになるからです。

次にもう一回天界に転生したいなあ、と望んでも、善業のエネルギーが無ければ、次は人間以下の生命に転生することになります。飛行機の燃料と似ていますね。この燃料タンクの大きさは、善業の大きさになります。

人間が積める善業パワーは、パーリ仏典を読んでいますといくつかの事例とともに分かってきます。具体的なことは中部経典の「施分別経」に詳しいです。

人間の時代に、阿羅漢(ブッダ)にサジ一杯の供養(お供え)をしたところ、その功徳によって、7回、天界を輪廻し続けた方もいらっしゃいます。ですが、結局、善業のエネルギーが切れて、人間に転生しています。

あるいは、人間の時代に、同じく阿羅漢(ブッダ)に供養をしたところ(ケチな心を出して供養したそうです)、天界へは転生できなかったものの、その善業によって7回、大富豪の人間として生まれたといいます。

しかし最後の7度目の大富豪の時代にケチな心を起こして殺人までしでかしてしまい、結局、地獄へ行ってしまった方もいらっしゃいます。

話しが少しそれていますが、人間の中にも善業パワーによって、幸運を享受している方々も多くいますよね。ただ座っているだけでお金がもらえるタレントとか、不労所得で生活が出てきしまっているとか、明晰な頭脳で社会に役立つ発見をするとか、こういう恵まれた方も人間はいます。

恵まれた人間もまた、前世のどこかで大きな善行をしているわけなんですね。例外はありません。皆さん、善行を為しています。そうして善業を重ねることができるのは「人間の時代」に限られてくるといっても過言ではないということです。

天界は、善業のエネルギーチャージがし難いというデメリットがあるようなのです。善業のエネルギーが切れたら、「ハイ、さよなら」する世界というわけですが、まさに「燃料切れ」といった表現がピッタリだと思います。しかも天界ではない世界(人間界以下)に行ったなら幸せになれる保証はありません。

ですので、実は神々の中には、善業エネルギーをチャージするために、人間界へ転生する方々もいらっしゃるようです。人間だけがダイナミックに善行を積むことができるからです。善行を積もうとして、あえて人間に転生しようとする神々もいらっしゃるようです。

神々の中には特殊な方法で自殺をして、人間に転生してくる方もいるといいます。

神々は寿命が長いですので、エネルギー切れになる前に自分で命を絶って、そうして人間に生まれ変わって善行を重ねるようです。神々の中には、こういった方々もいらっしゃるようです。

大慈善家、良心的な本物の宗教家、あるいは一般人であっても常に人のお役に立てる志で生活している方となって、人間界で善行に取り組んでいるかもしれません。

しかし、このように燃料補給のために人間に転生してくるといっても、人間というのは心がいつどのように動いて悪業するか分からない不確実性な生き物です。

ですので、善業の燃料を補給しようと思っても、おっとっとと、ヤバい、誘惑に負けて不倫してしまった、酒飲んで悪酔いして公園で裸になって逮捕されてしまった(某ジャーニーズタレントのように)などの悪業を積むリスクも当然出てきます。

なかなか思うようにならないのではないでしょうか。相当に心が強くないと、計画通りに人間時代で善業のエネルギーチャージは難しいかもしれません。

第一、計画通りに物事は進まないことのほうが多いものです。想定外のことが起きて頓挫することも少なくありません。

しかし天界の中にも善業を積める場所もあるようです。人間にも例外がある通り、天界にも例外があるようです。

また、仏道修行の場合、「どんなことがあっても人間と神々の世界を行き来する」という特別な切符を手に入れることができる裏技もあったりします。

天界でも善業が積める場所とは?
人間と天界を行き来できる裏技とは?
次回、その次と二回にわたってご説明いたします。