動物・虫への輪廻転生

輪廻転生の解説。今日は畜生界です。

畜生界とは動物の世界です。しかし動物だけでなく、昆虫・虫も含まれます。畜生界とは動物や虫の世界です。

輪廻転生では、「人間は動物に転生しない」という人もいるようですがこれは違います。人間も生前の業によっては動物や虫へ転生します。

ちなみに、餓鬼にしても動物や虫にしても、地獄界から転生してくるケースが多い感じです。何億年、何十億年間、地獄で生き続け後に、餓鬼や動物となって生まれるケースも多い印象です。

ですが人間も行いによっては動物へ転生するようです。しかし、お釈迦さまは動物へ転生すると大変であることを、パーリ中部経典「癡慧地経」でおっしゃっています。

いったん動物や虫に転生するとなかなか人間に転生することが難しくなるようです。動物が人間に転生するのは、大海に瓶が漂い、その瓶の中へ、盲目の亀が首を入れる確率だといいます。要するに、動物が人間に転生するのは「あり得ない確率」ということです。

この理由は、畜生はダンマを実践できないどころか、善行もできないからだといいます。むしろ弱肉強食で戦い、足を引っ張り合って、地獄や畜生の世界を行ったり来たりすると思われることが書いてあります。

癡慧地経では、草食動物、排泄物を食べる動物、虫、ウジ、ミミズ、魚、ワニに転生する条件も書いてあります。畜生は、ただ恐怖と恐れ、怯えにとらわれ、思考が働きません。善行への気持ちすら出てこないわけです。その点、餓鬼はまだ思考が働きます。

動物から人間に転生するのは大変だとお釈迦さまはおっしゃいます。。。

また「悪見」という邪な思想にかぶれて、それを信条とするのも危険なようです。悪見の代表的なものは、因果法則を否定する、道徳を否定する、妄想の強い思想や考え方のようです。テレビで流れる情報には、この手のものが時々ありますね。

かなりゾっとする話しかと思われます。動物への転生は怖いのですが、では動物に転生しないために、どうすればいいのでしょうか。。。

一つの答えは、施・戒を行うことですね。また食べ物の選り好みをしないことも、癡慧地経を読むと必要な印象です。基本的には、物質的・精神的に施しを行い、そうして五戒や十善戒を行うことになるでしょう。飽食の時代とも言われますが、食べ物を粗末にしないで、ありがたくいただくことも必要かもしれません。

現代はマスメディアの普及によって、欲望が過剰に刺激され、感情的にもなりやすいですし、思考力も停止しやすくなっていますので、なかなか施や戒を実行するのが難しくなっています。

人間は、周囲の環境の影響を受けます。周囲の人達がメディア等の悪影響を受けていて、そういった人達を交われば次第にこちらも影響を受けてきます。こういった点もあって現代は基本となる施や戒が実践し難い時代と言えるかもしれません。

ですが、できるだけ悪影響を受けないように心を強くして、対処していかなければならないと思います。こればかりは仕方ありません。悪友との交わりは、お釈迦さまも戒められていましたので、心が汚される感じがする場合は、その環境を避けるか、ヴィパッサナ瞑想、あるいはプラス思考、慈悲の瞑想をするなど、心を保てる方法をフル活用して、心の健全性を保つ必要があります。

こういったことは決して個人主義ではありません。自分も生命の一人です。自分も含めて、周囲も幸せになるのが望ましいですね。

ですから、環境や付き合う人に問題があるなら、改善するか回避をする必要があります。自分に悪影響を及ぼす環境や人とは縁を切るくらいの勇気も必要でしょう。そして、自分を正しく守り、周囲の人達にも善性を示すくらいですとより良い善行にもなると思います。

マスメディアの悪影響を受けて、人間が動物的な行動を取るようになりますと、死後、動物や虫に転生する可能性が高くもなるようです。また思考停止も危険なようです。自分で考えられず、ただいいなりになってしまい、知らず知らずのうちに悪行に浸ることもまた危険なようです。

ネガティブな話しに感じられるかもしれませんが、本当に言動には注意する必要がありますね。危険と察知されたなら決してその環境や人に深入りしないのが、現代での処世術かもしれません。

そうして、自分ができる世界や範囲で、人に施しをし、戒を実践できる仲間を作るとか、そういった志のある方とともに人生を歩んでいくことが大事かとも思われます。

悪趣に陥らない生き方を工夫することは本当に大切であると思います。

今日のブログは恐ろしい話しになってしまったかと思いますが、注意事項として知っておくのは決して無駄ではないと思います。