最初の説法の失敗と成功〜ウパカとコンダンニャ

最初の説法の失敗と成功〜ウパカとコンダンニャ

このように、梵天という創造主的な神の要請を受けて、お釈迦さまは、ご自分が悟ったことを「言葉」で伝える活動を始めることになりました。

 

お釈迦さまが一番最初に説法した人間がいます。
ウパカという修行者です。
しかしなんとこともあろうに、お釈迦さまは最初の説法に失敗しています。

 

ウパカは、お釈迦さまが立派な方に思われたので、「あなたの師はどなたですか」と訪ねます。そうしたところ、お釈迦さま悟っていますので、「私には師匠はいません。私よりもすぐれた者はおりません(私は仏陀です)」と言われました。ウパカは、「そうかもしれませんね」と頭を振って去っていったとあります。

 

ちょっとこのシーンは意外に思いますよね。
梵天に請われて仏法を説くと決心されたお釈迦さまの最初の説法は、いきなり失敗だったということです。

 

お釈迦さまといえば、スーパーマンで超人のようなイメージを持つ方もいらっしゃると思いますが、原始仏典で描かれるお釈迦さまの姿は人間的です。頭痛持ちで、背中や腰がよく痛いと言われていたといいます。実在のお釈迦さまは、圧倒的でバーンとした方ではなく、いつも微笑んでいて物静かな方だったといいます。

 

ですが、神通力(超能力)はすごい力を持っていたようです。旧約聖書に出てくる「モーゼの海割り」と似たようなことをしていたことが仏典に記録が残っています。

 

お釈迦さまが人間に説法して一番最初に成功した方は、コンダンニャという方であったことが仏伝には記録が残っています。

 

コンダンニャは、お釈迦さまの指導を受けて、悟りを得ることに成功します。
このとき、お釈迦さまは、「アンニャー・コンダンニャ」と感嘆の言葉をあげたといいます。

 

「アンニャー・コンダンニャ」とは「コンダンニャは悟った!」という意味のようです。
奇しくも、このとき「アンニャー・コンダンニャ(コンダンニャは悟った!)」という言葉が、そのまま後のコンダンニャの通称になります。「アンニャー・コンダンニャ」と呼ばれるようになります。

 

お釈迦さまは、初めて自分以外の人間が悟りに至ったことから、大変うれしかったようです。ですので、一番最初に自分以外の人間で悟りを得て、「コンダンニャは悟った!」と言われた言葉がそのまま、コンダンニャの通称になったのでしょう。

 

もしもウパカが一番最初に・・・となりますと、「アンニャー・ウパカ」という言葉が残ったかもしれません。

 

しかし、ウパカはその後、お釈迦さまのお弟子になります。
ウパカはお釈迦さまと道ばたで出会った後に、還俗(一般社会人)し、結婚します。しかしなんと、その奥さんが出家してお釈迦さまの弟子になってしまいます。この間、夫婦の間で今も変わらないやりとりがあったことが残っています。
そうして残された夫のウパカは、妻の後を追うように出家していきます。