天界で修行できる特別な場所
今日は、天界で善業を積むことのできる特別な場所があることをご紹介いたします。これもパーリ仏典やアビダンマッタサンガッハに書かれていることです。
人間にも例外がある通り、天界にも例外があるようです。実は、神々の世界にも善行(仏教の修行)ができる場所があります。
それは三十三天にある「チューラーマニ」と「スダンマ」という場所といいます。
三十三天の神々の世界にある「修行ができる特別な場所」ですね。
チューラーマニ~信仰心の篤い神々が供養会を行う
チューラーマニとは、仏舎利塔になるようです。仏舎利塔とは、タイやミャンマーなどの仏教国にたくさんありますよね。
インドにもありますが、ブッダの遺骨を祀った仏塔です。神々の世界の三十三天のチューラーマニという場所には仏塔があって、ここでは善行を積むことができるといいます。
チューラーマニの仏塔は、エメラルドで出来ていて、ここにはブッダが菩薩時代だった頃の髪の毛と、右の犬歯が安置されているといいます。
信仰心の厚い神々は、快楽を享受する代わりに、ここに参拝したり、花などを供養して善行を重ねるそうです。
ちなみに仏教的な善行を波羅蜜(はらみつ)といいます。天界の神々の中には、ブッダを尊崇し、供養をすることで波羅蜜を重ねる神々がいらっしゃるようです。
人間界でも、ブッダの徳を偲んで行う「灌仏会(かんぶつえ)」は有名ですね。花まつりとか、ウェーサーカ祭ともいいますが、天界でもチューラーマニといった供養会を行っているようです。
ですので、人間界で行っている各種の供養会も尊いですよね。各種寺院では、年中行事として仏徳をしのぶ行事を行っています。これらは実は尊い行事であろうと思います。天界でもチューラーマニという所で同じ事をしていますので。
もしもお近くの寺院でのこれらの年中行事をされているなら、参加されることをおすすめいたします。そうして善行を重ねると、よりよくなると思います。
スダンマ~仏法の説法が行われる公会堂
またスダンマというのは、仏法の説法が行われている公会堂のようです。スダンマの中央にはパーリッチャッタカという巨大な樹木があり、芳香をただよわせているようです。
スダンマの公会堂の真ん中には、説法の席があって、周囲には帝釈天をはじめとした三十三天の神々が座ることのできる座席が並んでいるようです。
ちなみにお釈迦さまは神通力で、この三十三天に赴き、スダンマにあるパーリッチャッタカの花を摘み、ウルヴェーラーにいたカッサパ三兄弟に見せて、神通力比べをしたことが律蔵「大品」に載っています。
話しを戻しますが、説法の時間が来ると、帝釈天が法螺(ほら)を吹き鳴らし、天界の町中に響き渡るようです。これを聞きつけた神々のうち、仏法を聞きたい神々は、スダンマに集まるようです。
ちなみに説法をされるのは、六欲界の神々ではなく、色界から降りてきたサナンクマーラという梵天が行うようです。もっとも時々、帝釈天や、その他の神々も仏法を説くようです。
このように、スダンマでは仏法のお話が行われ、これを拝聴した神々の中には修行される方々もいらっしゃるのかもしれません。
天界での修行は難しい
人間界であっても、なかなか仏教に興味を持たれることは少ないようですが、このことは神々の世界でも同じかもしれません。神々の世界は、五感を満足させる極上の快楽を受けることができます。
人間の快楽が水滴であるなら、神々の快楽は大海のようだといいますので、もしかすると仏教に興味を持たれる神々は少ないのではないかと想像もされます。
享受できる幸福感に満足して、「充分」という気持ちになるやすいのは、人間以上ではないかと推察いたします。
人間でも幸福感一杯のときは、一生懸命に勉強したり自己の向上を目指そうとは思いにくいと思います。
想像になりますが、神々の中で自己鍛錬に励む方々は多くはないかもしれません。いえいえ、これは私の想像ですので、実際と違っていたら大変失礼になりますね。※神さま、間違っていたらごめんなさい。
ですが、天界にも仏教を信仰したり、仏法が説かれる場所があるということですね。
あとこれも想像ですが、仏教以外にも宗教や信仰があるかもしれません。心を成長させようとする教えとか思想、そういった研究なども行われているかもしれません。