さて神々の世界(天界)は、
・無色界(梵天界)
・色界(梵天界)
・六欲界(一般的な神々)
大きく分けて三つの世界に分かれています。
今日お話するのは、天界の一番下にある「六欲界」という世界です。一番下にあるといっても、人間界と異なり、快楽の多い世界になります。
六欲界といわれるのは、6つ階層構造から成る世界だからだそうです。その6つの世界は、上に行くほど徳と寿命が長くなり、力も強くなるようです。
では、以下に六欲界について解説してまいります。
1.四大王天
いわゆる四天王と呼ばれる神々です。
六欲界の一番下にいらっしゃる神々です。
・持国天・・・東方
・増長天・・・南方
・広目天・・・西方
・多聞天・・・北方
が四天王です。それぞれ住んでいらっしゃる地方があります。修学旅行で東大寺へ行ったことのある方は、憶えていらっしゃるかもしれません。四天王は、神々の世界の入門になります。
寿命は長く500年といいます。500年といっても人間界の時間に換算すればなんと900万年になります。人類の祖先といわれているアウストラロピテクスが誕生した時よりもずっと長い寿命を持った神々のようです。
2.三十三天(忉利天:とうりてんとも言う)
三十三天は、忉利天ともいいます。帝釈天がいらっしゃる世界です。三十三天は六欲界の二番目の天界になりますが、かなり広い世界のようです。
しかも二番目の世界といっても、すでに須弥山の頂上にあります。
三十三天の神々はパーリ仏典にもひんぱんに登場される神々でもいらっしゃいます。
ちなみに三十三天の神々の寿命は1000年といいます。人間界の時間に直すとなんと3600万年に相当するといいます。
3.夜摩天(やまてん)
夜摩天は、亡くなるまでずっと快楽を受け続ける神々でいらっしゃいます。天界の三番目に位置します。
夜摩天の寿命はさらに長く、2000年といいます。これまた人間界の時間に換算すると、1億4400万年になるといいます。
4.兜率天(とそつてん)
六欲界の4番目に位置する天界が兜率天です。夜摩天と似ていますが、兜率天は「喜」をずっと受けているといいます。ちなみにお釈迦さまの前世が兜率天であったといいます。
また仏道修行をされた方は、兜率天に多くいらっしゃるといいます。
お釈迦さまの母親のマーヤ夫人や、お釈迦さま在世当時の在家仏教徒も現在、兜率天に多くいらっしゃるといいます。仏道修行を志す方は、兜率天の加護を願うと良いかもしれません。
ちなみに日本の空海も兜率天へ転生することを言われていましたね。
兜率天の神々の寿命は、4000年です。人間の時間に換算すると5億7600万年です。
5.楽変化天(らくへんげてん)
六欲界の5番目の天界が化楽天です。化楽天(けらくてん)ともいいます。この天界では神通力を発揮して、自分が欲するものを自在に作るといいます。配偶者まで作ってしまうといいますから、人間界でいうところの仙道の達人といったところでしょうか。
楽変化天になりますと寿命は8000年になり、人間界の時間に直すと、23億400万年になるようです。途方もなく長い寿命になってきます。
6.他化自在天(たけじざいてん)
六欲界の最上の6番目にある天界が他化自在天です。この天界では、他化自在天が望むものを従者が意のままに出してくれて、それを楽しむことができるといいます。六欲界では最上の天界ですので、何事も思うようになり、快楽の極みを享受し続けるようです。
他化自在天の寿命は、16,000年になるようです。ちなみに人間界の時間に換算すると、92億1600万年です・・・。
いかがだったでしょうか。
寿命も長く、快楽の多い世界です。では、次回はより具体的に六欲界の世界をご案内いたします。お釈迦さまが説かれる、これが本当の神々の世界(六欲界)です。