初期大乗仏教と禅定力

初期大乗仏教には二つの流れがある

初期大乗仏教の成立と歴史より。このように初期大乗は、大きくわけて2つに分けることができます。

  • 中観派・・・原始仏教(部派仏教)とほとんど同じ
  • 中観派以外の初期大乗・・・仏教もどき
ということですね。

初期大乗経典でのお釈迦さまは超人に描かれる

ところで初期大乗の仏典の中には、その荒唐無稽さに度肝を抜かされる記述もあります。これは衆愚運動から生じた在家仏教系に目立ちます。

代表的なのは、お釈迦さまは超人的存在となり、人間離れしてくる描写です。

このことは法華経や阿弥陀経に目立ちます。SF的な話しも多くなり、とてもではありませんが実際にあった話しには思えません。空想小説の類ですね。

もちろん原始仏典にも理解しがたい話しがあることも事実です。けれども原始仏典においては、SFっぽい話しはそれほど多くはありません。

初期大乗の時代になりますと、SF並の話しが多くなるわけですね。これらは妄想の類なのでしょうか。

一部の初期大乗と禅定力

ですが、初期大乗の一部には「禅定力」が関係しているという説があるようです。

禅定力。
深い瞑想状態で得られる神通の力のことです。

禅定という状態になりますと、不思議な能力を発揮する方が出てきます。神々と交信をしたり、テレパシーのような能力が出てきたりして、いわゆる超能力的なことが起きてきます。

中には別の銀河系宇宙の様子まで分かってしまう力を持った方もいらっしゃるようです。

別の宇宙にいる仏陀が初期大乗の経典のブッダ?

実際、初期大乗をはじめとする大乗仏典の中には、禅定力に優れた方々が垣間見た「別の宇宙にいらっしゃった仏陀」の話しを掲載していたという説もあるくらいです。別の宇宙にいらっしゃった仏陀を強い禅定力で見てきたというのです。

この銀河系以外の宇宙で起きた「ブッダ物語」ということです。

初期大乗経典の中には「他方の仏土」という記述もあります。で、この「他方の仏土」が別の銀河系宇宙であると。

観世音菩薩(観音様)も「他方の仏土より来る」とありますね。観世音菩薩は、西アジアで信仰されていた神を、仏教が輸入したと考えられています。が、本当は「別の宇宙(他方の仏土)」という意味であると。

「まさか?」と思われるかもしれません。

いや、その「まさか」です。

禅定力の世界はSFのような話しもある

禅定力で垣間見る世界の話しは、通常の人間の認識力や概念をはるかに超えています。にわかに信じがたいものがあります。

実際、禅定力を持った方々のお話を聞きますと、「???」と頭の中にはてなマークがポコポコと出てきて、理解不能になります。「妄想?」と思ったりもします。いや本当かもしれません。

私には判断できないため、判断を棚上げしています。実に不思議な世界でもあります。

禅定力で世界を見始めると、常識や通常の人間の感性でとても理解のできない世界があることが分かってくるようです。

原始仏典にもあるSFな話し

話しを戻しまして、初期大乗は、こうした禅定力に優れた方々によって作られたものではないかとする説もあるということです。

原始仏典にもSFっぽい話しはいくつかあります。

たとえば増支部経典というのがあり、このお経の中に「ブッダの声は三千世界(銀河系)、その気になればもっと多くの世界まで声を届けることができる」といったことが書き残されています。

またブッダは、一つの世界に一人しか誕生しないともあります。ほかにもあります。

こういう話は本当かどうか分かりません。しかし原始仏典にも残されているということですね。私はこれらのエピソードは本当の話しであろうと思っています。禅定力(神通力)で垣間見た様子ではないかと推測します。

初期大乗の中には禅定力が関与?

ですので、禅定力を背景にして初期大乗が生まれたという説は、あながち滅茶苦茶ではないと思っています。それどころか大いに関与していると考えられます。

初期大乗の一部には、禅定力が深く関わっている可能性があります。

根本二大分裂も禅定力と関係がある?

初期大乗が誕生する以前にも、仏教教団は二大分裂を引き起こしています。「根本二大分裂」といわれる事件ですね。仏教史では有名な出来事であり事件です。

この根本二大分裂の歴史を追っていきますと、意外なことに気付かされます。それは禅定力が原因で(と推測できる)、教団内に混乱が起きたと思われる節がある点です。このことはあまり知られていないと思いますし指摘もされていません。

しかしパーリの経典群の中には、驚くような記録書があり、これを読んでいますと「なーるほど」と思えてきます。

初期大乗が成立した根底に禅定力があるとする理由は、根本二大分裂の事件の辺りから見いだせると思っています。

それが「論事」です。

論事1
論事2