同じ両親の元に生まれてきた回数と四阿僧祇十万劫

輪廻転生。
輪廻転生は、無限に近い数、生まれ変わってきていると、
原始仏教では説きます。
その数は、阿僧祇(あそうぎ)を軽く超えます。
今日は、そんな生まれ変わりの数の話しです。

同じ両親の元に生まれてきた回数は無限に近い

この輪廻の「回数」を、感覚的に分からせるお経が、
相応部の「無始相応」というパーリ仏典の中にいくつかあります。

このお経では、お釈迦さまは
「皆さんが、今の『両親』の元に生まれた回数はどれくらいか知っていますか?」
と訪ねています。

これは奇抜な質問に聞こえます。
「同じ両親の元に生まれた回数」なんて1回くらいじゃないかと。
しかしお釈迦さまは仰天するような話しを続けます。

お釈迦さまは、地面の土をひとつまみします。
そして「つまんだ土を一つの生涯とするなら、
『大地の全ての土』の数だけ『同じ両親』の元に生まれているのですよ」と。

「無始相応」というパーリ仏典には、「涙と大海」「小枝と森」などで
同様の説明がされています。
数字で表されるより、なんとなく感覚的に分かりますが。

しかし・・・・
言葉を失います。
同じ両親の元に生まれることが起きていることのみならず、
その回数が膨大であること。

四阿僧祇と十万劫

ちなみに、お釈迦さまがブッダになるまで、
どれくらい生まれ変わってきたかの数も、
お経に掲載されています。
その数は、

四阿僧祇(しあそうぎ)と十万劫(じゅうまんごう)。

何かの呪文のように聞こえるかもしれませんが、
これはお釈迦さまがブッダになるまで、
輪廻転生を繰り返した修行の時間といわれています。

ジャータカというお釈迦さまの前世物語に詳しいのですが、
四阿僧祇十万劫(しあそうぎ-じゅうまんごう)は、
時間の長さを表しています。
※三阿僧祇という説もあるようです。

阿僧祇の長さとは?

で、阿僧祇と劫の長さは、どれくらいかといえば、

◎阿僧祇・・・10の56乗年
◎劫・・・43億2000万年

であるとか。
阿僧祇がどれくらいの大きさなのかは諸説あります。
ここでは一応、この数字を採用します。

で、これで計算すると、四阿僧祇十万劫とは、
4×10の56乗年+10万×43億2000万年

ちなみに「一劫」は、ビッグバンを起こして宇宙が誕生して消滅するまでの時間といいます。
「10万劫」というのは、10万回宇宙が生成崩壊・・・。

で、「阿僧祇(あそうぎ)」とは、これを上回る10の56乗年。
と言われても、???

もう膨大過ぎてイメージすらわいてきません。
お釈迦さまでなくても、人は、それくらい長く長く輪廻しているのでしょう。

ブライアン・ワイスの輪廻転生の話し

輪廻についての詳細は、最近ではブライアン・ワイスの説も広まっています。
ブライアン・ワイスの説には、「輪廻する一団」があることを述べています。

ソウルメイトとかもそうかもしれませんね。
しかしブライアン・ワイスの説は、お釈迦さまの話しと通じる所がありますね。

同じ両親の元にも無数、生まれ変わってくる輪廻の旅。
同じ両親だけでなく、おそらくブライアン・ワイス氏の説通り、
友人、知人、兄弟、伴侶との出会いも同じかもしれません。

生命は人間だけに生まれ変わっているとは限らない

仏教の瞑想修行の中には前世が分かるものもあります。
数多くの前世を見ていくと、さまざまな生命に変化していた様を知るようになると。

ある生涯は裕福であり、ある生涯では貧しい人間だったと。
で、ある生涯では人間以外の生命に転生したり。
動物や虫だった時もあるとか。

しかし、どういう生命であっても、命が共生であること、
さまざまな生命に変化していく無常であることを直接体験し、
理屈抜きにエゴが落ちてゆくと。

袖振り合うも多生の縁

それにしても「袖振り合うも多生の縁」といいますが、
ささやかな出会いでも、輪廻のどこかで出会っていると思わざるを得ません。
まさに「多生」のなせるワザといいますか。

四阿僧祇十万劫・・・
4×10の56乗年+10万×43億2000万年・・・

なんとも途方も無い、想像すらできない無限に近い時間を、
生命は輪廻転生し続けていることか。
驚きますね。