無色界の生命の特徴

世界の頂点、無色界。
心だけの世界の無色界。
物質を伴わない、心・精神だけの世界があることに驚きですが、心や精神だけの生命が存在することにも驚きます。
想像が難しいですね。

無色界のことが分かりにくかったので、パーリ仏典の関連書を読みました。
手元に解脱道論というのがあります。解脱道論は、清浄道論の下地にもなった書籍です。解脱道論は漢訳されて中国にも伝来しています。解脱道論と清浄道論は実は大変よく似ているといいます。

その解脱道論には、無色界のことが少し詳しく書いてあります。
解脱道論が説く無色界の解説では、

・空無辺処(くうむへんしょ)
心が虚空。宇宙大の広さ。

・識無辺処(しきむへんしょ)
識に限りが無い大きさ。だから無辺なのでしょう。広大に広がる意識の状態のようです。

・無所有処(むしょうしょ)
識が消滅する様。

・非想非非想処(ひそう-ひひそう-しょ)
識が無くなった次の段階で、想を無くす。いわゆる滅尽という煩悩が消えたような状態。しかし涅槃では無い。

大体、こういう感じになります。
解脱道論の解説を読みますと、無色界が少しわかってきますが、それでも分かりにくいですね。

ですが、無色界の生命が存在するわけですので、この世は一体、どうなっているのでしょうか。

無色界の寿命

さて無色界での寿命ですが、これがまたすごい・・・。
もう圧倒的です。

・空無辺処(くうむへんしょ)
2万劫(86兆4000億年)

・識無辺処(しきむへんしょ)
4万劫(172兆8000億年)

・無所有処(むしょうしょ)
6万劫(259兆2000億年)

・非想非非想処(ひそう-ひひそう-しょ)
8万4千劫(362兆8800億年)

2万合~8万4千劫の寿命です。
1劫 = 43億2000万年といいますので、
86兆4000億年~362兆8800億年です。

362兆年!

想像すらできない茫然とする時間の長さです。
その長寿たるや圧巻です。

色界の第四禅天の広果天は300劫(12,960億万年)の寿命です。
解脱の手前にある浄居天は16000劫(約69兆1200億年)の寿命です。

浄居天の神々よりもはるかに長寿です。
卒倒しそうですね。

この世の最高位の生命「非想非非想処」になると362兆年も生きているわけですね。
しかし極微細な心の働きの状態で生存しているのでしょう。
煩悩が無いかあるかの微妙なかすかな状態で生存している世界です。

しかしこうして見てきますと、人間を支点にして、心が清まれば清まるほど寿命が長くなっていくことがわかります。

反対に心が汚れれば汚れるほど、寿命もまた長くなっていきます。地獄の生命の寿命も長いですね。もっとも動物は短命な傾向ですが。餓鬼も数百年以上生きています。

では悟ってしまうと、どうなのでしょうか?
単純に理屈で考えますと、宇宙と同じようで、始まりも分からなければ終わりもないような状態なのかもしれません。無限大や永遠という言い方は適切でないと思いますが、涅槃とは始まりも無ければ終わりも無い世界のような気がしてきます。

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