色界

色界

さて話しの順番が前後してしまいましたが、天界のうち、二番目に位置する「色界」について今日はお話いたします。

何度も書いていますが、天界は三層かなら成る世界ですね(※くわしいことはこちら)。

・六欲界
・色界
・無色界

この3つです。
六欲界は、既にお話いたしました。今日は、色界(しきかい)です。

色界は、以前にも書きましたが、通常は入れない世界です。

色界に入るためには、善行をおこなって、しかも瞑想をして「禅定」「ジャーナ」「サマーディ」といった心の状態にならないと到達できません。禅が出来ていないと決して入ることのできない神々の世界です。

色界は梵天(ぼんてん)という偉大な神さまがいらっしゃる天界です。梵天とは、世界の創造主と思われている節もあります。こういった神々の住む天界が色界です。

もしも瞑想か何かで禅定に入ることができれば、色界と同じになります。梵天と同じ心になります。

しかし色界は、瞑想をして禅定という心を作らないと、決して入ることができない世界です。

色界の世界と構成

色界は、次のような構成になっています。また禅定と色界は一致しています。

・初禅天・・・初禅
・第二禅天・・・第二禅定
・第三禅天・・・第三禅定
・第四禅天・・・第四禅定

禅定の4段階の深まりと色界とは関係があります。色界も禅定の瞑想の深さに対応しています。

またそれぞれの色界は3つに分かれています。

・衆・・・一般の梵天の神々
・輔・・・大臣のように大梵天を補佐する
・天・・・大梵天(梵天の王)

といった具合です。色界の詳しいことは次の通りとなります。

初禅天

【初禅天】
◆梵衆天(ぼんしゅうてん)
・第一天
・身長・・・半由旬(約6.5㎞)
・寿命・・・半劫(21億6千万年)

◆梵輔天(ぼんほてん)
・第二天
・大梵天王を補佐する大臣
・身長・・・1由旬(約13㎞)
・寿命・・・1劫(43億2000万年)

◆大梵天(だいぼんてん)
・第三天
・いわゆる「梵天」。バラモン教やヒンドゥー教のブラフマー神がこの大梵天。
・身長・・・1由旬(約13㎞)
・寿命・・・1劫半(64億8千万年)

第二禅天

【第二禅天】
◆少光天(しょうこうてん)
・身体より光明を放つ梵衆天
・寿命・・・86億4千万年

◆無量光天(むりょうこうてん)
・身体より無量の光明を放つ梵天の大臣
・寿命・・・172億8千万年

◆発光天(はっこうてん)または光音天
・身体より雷鳴のような明るさの光を放つ大梵天
・寿命・・・345億6千万年

第三禅天

【第三禅天】
◆少浄光天(しょうじょうこうてん)
・身体から絶えず浄光が出ている梵衆天
・身長・・・16由旬(約208㎞)
・寿命・・・16劫(691億2000万年)

◆無量浄光天(むりょうじょうこうてん)
・身体から絶えず無量の浄光が出ている梵補天
・身長・・・32由旬(約416㎞)
・寿命・・・32劫(1382億4000万年)

◆遍照光天(へんじょうこうてん)
・身体から浄光が満ちあふれている大梵天
・身長・・・64由旬(約832㎞)
・寿命・・・64劫(2764億8000万年)

第四禅天

【第四禅天】
◆広果天(こうかてん)
・凡夫が生まれ変わることのできる最高の天処。
・身長・・・500由旬(約6500㎞)
・寿命・・・300劫(12,960億万年)

◆無想有情天(むそううじょうてん)
・無想有情。あらゆる心想(精神作用)がない天
・寿命は500劫(21,600億万年)

◆浄居天(じょうごてん)
・仏道修行で不還化(ふげんか)となった者だけが入れる。
・浄居天の死後、そのまま般涅槃する。
・色界の最高位の天界。
・浄居天は5層から成り立つ。
・浄居地(じょうごち)
無劣天(むれつてん)
善見天(ぜんけんてん)
善現天(ぜんげんてん)
無熱天(むねつてん)
不捨天(ふしゃちてん)

浄居天~色界の隠し部屋?

色界の梵天は巨大

ちなみに梵天の体の大きさは巨大です。

色界梵天の身体は「星の大きさ」

梵天の体の大きさは数キロ~6500キロメートルになります。火星の大きさが6795キロメートルですので、第四禅定の梵天である広果天(こうかてん)は火星の惑星と同じくらいの大きさになります。

身体の大きさが、本当に数キロから地球くらいの惑星並の大きさです。これは空想とかではなく、リアルにいらっしゃる色界梵天の神様の大きさです。もののけ姫に出てきたシシ神よりもずっと巨大です。

ちなみにお釈迦さまは梵天とも遭って説法もしています。

梵天の最上位は浄居天

色界の最上位には「浄居天(じょうごてん)」という特殊な色界があります。

浄居天は、時々説明もしてきましたが、仏道修行をした方だけが入れる特殊な色界です。簡単に言ってしまいますと、浄居天の神としての寿命が終われば、そのまま涅槃に入ってしまう世界です。

実は浄土宗の「極楽」が「浄居天」になります。詳しいことはまた機会のあるときのご説明いたします。

浄居天の神々は第四禅定に入ったり、あるいは四無量心(しむりょうしん)の三昧に入ったままです。