自己暗示では成功しない~クインビーの健康回復法

さてこちらではアファーメーションでを使って成功を勝ち得ることはできないと書きました。
この理由を書いてみましょう。

元々、自己暗示(アファーメーション)は健康回復の方法として、アメリカ人のクインビーという医者が発見した方法でした。クインビーの前にもスウェーデンボルグがひな形となるハウツーを発見しています。クインビーはスウェーデンボルグの思想の延長の上に、独自に応用して心理テクニックにしています。※フィニアス・クインビー(Phineas Quimby,1802年2月16日 – 1866年1月16日)

クインビーは病気となっている人達には、ネガティブで硬直した思考があることに気付きます。そうして、その極端なマイマス思考を取り外すことで病気を治せることに気づきたわけです。これが病気治療となって、当時のアメリカでは評判になったようです。

クインビーの「自己暗示(アファーメーション)で健康を取り戻す方法」の発見は、その後拡大解釈されて成功術・成功哲学へと様変わりしていきます。自己暗示(アファーメーション)の効果は元々、病気治し(健康回復)だったのですが、それが次第に成功術・成功法則として拡大解釈されて、現在ではビジネスセミナーでも「成功する秘訣」としてレクチャーされるほどになってしまいました。

自己暗示のカラクリ

しかしクインビーの発見というよりも、実は自己暗示(アファーメーション)を使用しなくても人間の身体は元来、健康で有り続けようとするホメオスタシスな機能があります。ですから、健全なメンタリティであるなら自己暗示を使わなくても、自然と健康を回復していきます。

人間の体は健康になろうとする働きがあります。ですから強いて自己暗示(アファーメーション)を使う必要はないのです。ですが、ネガティブな考えによって、つまり心因性の疾患となっている場合、自己暗示(アファーメーション)を活用することでスっと健康を元に戻しやすくなるということです。

元々健康になりたがったいる身体に対して、ネガティブすぎるストッパー的な思考が効いているため、不健康だったわけです。そこに、背中を押す形で「健康になりましょう」と自己暗示をしてあげれば、健康は回復しやすくなるということです。自己暗示(アファーメーション)は、こういう錯覚の中で出てきた形跡があります。

しかしそうはいっても、自己暗示(アファーメーション)は有効です。人は、意識していないとネガティブな考え方し思想に犯されることがあります。ですから健全な考えやマインド設定のために、自己暗示(アファーメーション)を活用することは非常に良いことです。

しかし自己暗示(アファーメーション)で人生で大成功するとか、そういう願望成就には効果が無いということです。

人間の身体は健康を改善しようという機能がありますので、アファーメーション(自己暗示)をかけてあげれば、加速的に健康は回復していくわけです。

「病は気から」といいますが、まさにその通りなわけです。これが自己暗示のカラクリです。願望達成術とか、願望を叶えるノウハウではないということです。元からそうだったのです。

キリスト教の恐怖から解放させたクインビー

クインビーが生きていた19世紀の時代も、実はアファーメーション(自己暗示)が功を奏してセンセーショナルな扱いを受けた理由になっています。

クインビーが活躍した19世紀、アメリカには厳格な教えを奉じるキリスト教・プロテスタント派が多かったことも関係しています。プロテスタント派は原理主義で、キリスト教に厳格で、しかも予定説などの恐怖を募らせる教えも多く、信仰者の多くは、恐怖に取り憑かれていました。

当時はキリスト教の教えによって不安を抱いたアメリカ人が多く、一種の恐怖症となっていました。クインビーは、キリスト教の恐怖から解放することに自己暗示(アファーメーション)を使い、その結果、思考が健全化して人々の病気が治っていったわけです。

ですから、自己暗示は元々、健康回復(しかもひどく抑圧された状態からの心因性の病気の回復)であったため、効果も顕著であったということです。自己暗示に奇蹟を起こす力は無く、元々、人間が持っているホメオスタシスの機能をより促進させるものだったわけです。

繰り返しになりますが、人間の身体は、余程のことが無い限り、自然に回復していく働きがあります。この自然の働きを阻止するのが、ネガティブな思考やマイナス思考なわけです。暗い気持ちになっていれば、病気になるのは当然です。

クインビーが病気治療で成功した事例とは、実に、当時の時代背景がかなり作用しています。キリスト教のマイナス思考からの脱却によって健康になったわけです。ですので、何も自己暗示を使わなくても、思考を切り替えるだけでも健康を回復していったことことでしょう。

自己暗示で人生に成功することは難しい

ただし自己暗示(アファーメーション)は即効性があり、爆発的なパワーもあります。急激に思考を変えるためのテクニックとしては効果がありますし有効です。

クインビーが病気治しに成功したのは、自己暗示(アファーメーション)の特徴にあると言っても良いかもしれません。

自己暗示を使って自分には無い人生の成功を得ようとしても、実現化はまず可能性が低いでしょう。自己暗示で成功する方は、元々、成功する素因のある方に限られます。人間のホメオスタシーとして回復(良くなろうとする)機能があるのと同じで、成功する運命の人は、自然と成功に向かっていきます。何もアファーメーションや成功法則、成功哲学を実践しなくても成功してしまうわけです。

こういった成功要因などの傾向はインド占星術などで分かります。その人の先天的傾向やカルマは分かります。頭脳明晰な人、お金持ちになれる人、仕事で成功する人などの傾向は生まれながらにある程度、決定しています。人は、生まれながらに一生の傾向が決まっています。これはなかなか変えられるものではありません。

そして仏教では先天的な傾向は変えない主義です。成長した杉の木は、どこまでも杉の木です。松の木にはなりません。

それと同じとして、仏教ではいたずらに個性を変えたり、運命を改善することはしません。またお釈迦さまは運命を強引に変えてしまうとか、運命の変更を願ったりすることとは別の方法を提唱しています。

仏教では運命上、大変な幸せを期待する生き方も原則としては推奨していません(増支部経典・第五集・第十八・優婆塞品)

仏教では心が受ける反応の仕方を変えて、業(カルマ)を作らず、最終的には涅槃に至る方法を提唱していきます。仏教とはそういう教えと実践になってきます。

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